home>snapshooting in daily life ;yomaru.net













































































さよならしたはずの山中のお客様との縁がなかなか切れないでいる。最後の申し送りをするために、もう一度だけ顔を出すことになったのだ。早朝のアポイントなので、ここは一つ転職記念比較的豪華なペンション前泊ツアーを敢行しようと思ったのである。有り余っている有給休暇のいい消化方法でもあり早速宿泊先をあたってみるが、観光業界が夏休シフトに突入していて、1人泊を斡旋してくれるWeb宿泊予約サイトが見当たらない。本来「1人泊」料金プランの欄には横一文字に消し線が引かれていて、その消し線は8月31日までずっと続いていた。富士吉田あたりのビジホくらいしか受入れ施設がない。さぁ困ったと探すこと1時間、山中湖の平野地区に1件のペンションが見つかった。
アポイント前日は、これもシガラミでしかたないのだけれど、うちの奥様を、子供のサッカーの合宿先である河口湖畔まで送り届けるというオプション付きなので、湖畔のサッカーコートに9時に着かないとならない。有給消化といっても出勤よりも早い出発に、目を擦りながら出掛けた。中央高速バスの如き正確さでもって、湖畔の合宿所に到着。すこしだけ朝練風景を道具小屋の陰からチェックした後、自由時間に突入。一路139号線を富士宮方面へ向った。
プチ撮影の旅の趣向は、富士五湖といいながら、まだ見ぬ3つの湖を周遊してみようというものだった。「まだ見ぬ」というのは少々大袈裟で不適格な表現かもしれないが、来たことがあるとしても、それこそ小学校の遠足とか、自らの意思が伴った行動の外のことで、時の流れも相まって、まったく訪れた記憶がないし、風景の映像も画像も我がメモリに蓄積がない。
西湖へはここを右折しろというR139の交差点を曲って、長く続く下りのワインディングを走り抜けると「初めて」の西湖に突き当たった。時計回りにしばし湖畔の道路を行くと、ブラスバンド部の合宿と、写生をする女学生と、ブラックバス釣りの叔父さんたちが、それぞれの休日を楽しんでいる浜に出た。静かな湖の畔に管楽器が騒々しい。あれはアンサンブルの中で協調し、交わり響かないとならないものであって、個人の練習なんてのは雑音以外の何でもない。そんな雑音をよそ目に静かに風景を写生する人たちがいる。いい迷惑だろうに、文句一つ言えないのが可哀想だ。Basserは優雅なボートの上の人も、浜からキャストしている人も、活性のなさそうな水中にワームを何度も仕掛けるが反応はない。我慢の釣りの最中だった。
10kmの湖畔周回道路を巡りながら、ふらふらと意味のない風景写真を撮ってみる。晴れたり曇ったりの変わりやすい天気で、刻一刻と雲が動くから風景にも変化がある。
へら鮒発祥の地として有名で、それを目当ての釣り人が多い精進湖を一周してみるが絵になる景色に出会えない。
1千円紙幣の裏面にある富士山の刷り込みのスポットがあるという本栖湖へ。絶景というその場所に到着したときの状況は写真のとおりで、霊峰富士は雲にそのお姿を隠したまま、顔を出してくれそうにない。
1日目はこれにて終了。R139を来た方向へ引き返し、富士吉田を抜けて山中湖へ到着するが、ここで雨が路面を濡らしだす。明日はどうだろう、出がけの富士を撮ることができればいいと念じながら宿泊先のペンションに到着した。
久しぶりに利用する「ペンション」という部類の施設。少し緊張ぎみに白いペンキが塗られ、手入れの良さそうなカントリー調の建物のエントランスを抜けると初老のご夫婦オーナーが出迎えてくれた。宿泊客がカップルばかりで、場違いなのではという懸念は数分で払拭された。むしろ家族連れが似合いそうな落ち着きのある雰囲気と、さらに言えば、枯れたイメージまで感じられる空間は、若者寄りというよりは、自分の側に近い設定だった。すっかり気をよくしながら風呂を浴びてダイニングへ。魚と肉のコース料理をいただく。子供連れの3人組みと夫婦1組み、そしてボク1人。オーナーの奥様がフロアを担当し、ご主人が厨房でせっせと料理を作るという連携プレーは段取りがいいし、出てくるものがみな最高のコンディションなのが素晴らしい。「1人でペンションだなんて」とうちの奥さんに笑われたのではるが、どうして居心地はファーストクラスだ。食事が済んで長い夜がやってきた。小ぶりなベッドが2つのツインルームに可愛いらしいスタンドランプを点して、やることがないから、本を読み出した。目がさえてしまって結局6時間くらい読書をして、それでも眠くなかったのだけれど、朝一からの仕事のことを考え、無理やり就寝することにした。それにしてもなんていう充実した気分なのだろうか? 
持ってきていたスーツに着換え、身支度をしてダイニングへ向う。さすがに高原のペンションのモーニングタイムには不似合いなスタイルで、他の宿泊者の人たちにも申し訳ないなと思いながらも、焼きたてのパンに手作りのジャム、ハムやタマゴのプレートをいただく。帰り際に奥様にいってらっしゃいませと送り出された。気恥ずかしかったけれどもハートウォームな気分に浸る。
出勤途中の山中湖。もうホームグランドといってもいいここからの富士の勇士は、見るものをぞくぞくとさせるくらいに迫力があり、威厳がある。雲が邪魔をして残念ではあるけれど、晴天の湖畔は眩く光っていた。
湖畔のお客様の申し送りはつつがなく終了し、昼時には有給休暇モードに戻る。
転職前の暇を持て余している身のこと。ここは高速道路なんてもったいなく。それじゃゆっくりと甲州街道でも通って帰るかとエコドライブモードに。エコといってもエコノミーのほうである(笑)。
かくして転職記念プチ旅行のひとときがあっという間に過ぎていったのである。



*Music to sympathize with ;FLEETWOODMAC say you will





===========================================

fujigoko ;yomaru.net
snapshooting in daily life 2007.


Nikon D70S /sigma 20-40mm 1:2.8




2007.7.23-24