昨日からのテストフィルムの残量はフィルムカウンタが正確に記録していて、あと10枚程度の撮影が可能だということを示していた。
Leicaが舞い降りた文化の日の翌日のことである。近所にある、「私有地につき立ち入り禁止!」の看板が目に付く「分譲団地」跡に潜入してみることにした。敷地内の道路はゆったりとした道幅があり、駐車場として確保してあるスペースには一台の車も存在しない。何らかの理由で廃墟になっているのだろうけれど、かといって再開発をしようといった計画もなさそうだ。転居する際に置き去りにされたオーディオ機器が雨ざらしになって何年が経つのだろうか。
ボクが
この地に越してきてからずっとここだけは時が止まったように無表情だし、たぶん四季を感じさせるような営みも最低限の範囲で繰り返されている。ある日、突然にこの分譲団地に未知との遭遇が起きて、当時の住人が、光を放つ宇宙船で連れ去られたのではないか?人影が忽然と消えたような印象を与えるのだ。それは視覚的な域に止まらず、どんよりと淀んだ空気からも感じる。荒廃した住居跡にはカラスさえ寄り付かない。
ともかくそうした廃墟となった分譲団地を歩ききるといつもの旧道の人ごみの中にまぎれることになった。平常な生活反応のある域帯へ問題なく戻ることができ、時間の流れがいつものリズムを刻み、重々しかった空気も正常な湿度を伴ったものになった。
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