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某月某日 うちのファミリーカーが18ヶ月点検を迎えるという案内の電話がディーラーの営業氏から金曜日の夜にあって、「明日にでもいかがですか?ご来店いただけませんか」というので、いってみることにした。3年間、つまり最初の車検までのメンテナンス料を前払いするとお得になるという、どうも得してるのか損してるのかよくわからないメンテナンスサービスを利用してしまったものだから、半年ごとにこういうお誘いがある。点検は1時間くらいかかるというので、車を預けてそこいらを彷徨ってみることにした。一見、摂氏20度程度の程よくさわやかな秋晴れの中のようではあるが、またまた台風が関東の沖合いを通過するということもあって、雲の流れが速くて、空はめくるめく表情を変えた。木陰に入ると半袖のシャツでは寒いくらいになる。9月も下旬だというのに、蝉の残党が最後の力を振り絞ってか細く鳴いてみせる。一方で金木犀の香りが秋風にのって鼻孔をくすぐる。甘酸っぱい素敵な香りが高井戸の 暗渠となった玉川上水の上に作られた緑の散歩道いっぱいに広がっている。1時間なら行って帰ってこれるかなと思い、この2kmにおよぶ散歩道を往復してみることにした。



 















 
 
 





 




























樫の大木が空に向かって大きく枝を広げ、シンボルツリーと呼ぶに相応しく堂々としている。人通りは少なく、ところどころに設けられた子供のための遊具広場で遊ぶ子供たちの声が聞こえるくらいだ。そうかと思えば、ウッドベースの練習をしている方を発見。なるほど、暗渠となった多摩川上水の両岸は住宅が密集しているわけで、トランペットの練習はNGだろうけれども、ウッドベースの重低音ならなんとか近隣住民も苦情を申し出る一歩手前で我慢できる範囲なのかもしれない。
筋雲の空が綺麗だなと思って歩いていたが、東の端まで来て折り返しの復路で空を見上げるとグレーの雲がお日様を遮っている。陽の光が緑の散歩道全体に廻って秋らしい空気に満ち溢れていたさっきまでとは打って変わって、じっとりと湿気をはらんだ空気が漂ってきたようだ。
そんなこともあって、復路はまるで違った道にでも迷いこんでしまったかのように異なった光景が展開され、そういえばさっき通ったときにいた子供たちの影もなく、緑の散歩道はよりいっそうさびしい存在として映った。


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CAMERA :NIKON D70S / Ai-s NIKKOR 35mm 1:2




2006.9.23