SとMSはお互いに補完関係の企業同士であり、MS主催のCEO(最高経営責任者)サミットにもパネラーとして出席を依頼されるなど、両社は仲良くしながらある分野では競争をする関係を続けていきたい」この発言で、SとMSはビジネスチャンスさえあれば、いつでも新規事業を協調してやる可能性があることをにおわせている。
D井によれば、B・GとはIT(情報技術)やインターネットの進展により業界領域がボーダーレス化(垣根がなくなる)することで、次の新たなビジネス・プラットフォームをどのようにしていくか、といったことで議論することが多いという。
また、SCE社長のK木は、この件に関して次のような発言をしている。
ばかりである。
「MSに代表されるように、これからもIT産業や情報産業などから、ゲーム機における家庭のエンターテインメント分野への進出が考えられるが、市場の拡大という面からすれば非常にいいことだと思う。
MSもSも市場を拡大していくためには、数多くのコンテンツづくりに取り組まなければならない。
お互いに切瑳琢磨していけばいいのではないか。
MSはゲーム機を開発しようとしているが、われわれのプレステ2はゲーム機でなく家庭におけるエンターテインメント機として位置づけている。
ゲームもその一つであり、音楽とか映画といったものと融合するマシンだ。
手掛けているのはソフト事業の開拓であり、そこにおいては大きな争いはない」。
2001年秋には「XBOX」が市場にデビューする予定である。
その時期にソフトやネットワーク面で「プレステ2」とどのような協調と競争が見られるか、興味は強まるただ、MS側は他社のゲーム機との互換や連携といったことはいっさい考えていないことや、ゲーム機用途のみの単一機能に絞り込んだ製品であることを強調していることから、「プレステ2」の多目的な用途とは異なるし、販売戦略など具体的なことはまだ固まってはいないようだ。
「2000年度からネットワーク事業を積極的に推進していきますが、われわれとしてはネットワークへつながる4つのゲートウェイとして、1つはプレイステーション、2つにはパソコン(VAIO)、3つにはデジタルテレビを中心とするセットトップボックス、4つにはモバイルやPDA機器といったものを考えている」と説明するのは、今年6月にD井とトップ交代したA藤COO(最高執行責任者)。
この説明からもわかるように、「プレステ2」はネットワークに接続するポータル(入り口)機器としての性格を持ち、ネットワークを利用する様々なビジネス展開を想定して開発された製品である。
そのネットワークといっても、Sが考えているのは既存の電話回線ではなく、インターネットが超高速で利用できるブロードバンド(広帯域)・ネットワークである。
「プレステ2」が、ネットワーク端末として定着すれば、個人や家庭におけるネットビジネスの職ネットワークへの4つのゲートウェイこのスケジュールによれば、2001年にはCATV(ケーブルテレビ)網を経由してのゲーム、音楽、映像などのデジタルコンテンツのビット配信を開始する。
これらのコンテンツを配信するには、大容量の情報が送れるCATV網が最適と判断したようで、これに合わせてプレステ2専用の通信モデム、それにCD-ROM数枚分の情報量を記憶できる4ギガバイトのハードディスク(HD)を使う記憶装置を発売予定にしている・SCEとしては、ネットワークによるゲーム配信を、既存のコンビニエンスストアや小売店、量にしている。
後継機プレステ3も誕生か?SCEではすでに、「プレステ2」を軸とした200X年までのスケジュールを明らかインフラを構築できることになる。
ネットビジネスを成功させる大きな要因の一つは、できるだけ少ない投資でネットインフラ構築を実行することである。
「プレステ2」の販売が伸びれば伸びるだけ、結果として購入者がネットインフラを構築してくれることになるから、Sにとってはまさに一挙両得である。
販店と並ぶ販売ルートに育成したい意向である。
もちろんゲームの配信、SCEでは”e‐ディストリビューション”と呼んでいるが、これはプレイステーション・ドットコム・ジャパンが手掛けることになる。
情報量の多い最新のゲームソフトを、一般の電話回線を使って送ると数十時間かかるといわれ、とてもネット配信などと呼べるしろものではない。
しかし、CATV網を利用するとたった3?n分間で送信できるという。
ただ、利用者は前述したプレステ2専用の通信モデム、HDを使う記憶装置を購入しなければならない。
もちろんゲームソフトの配信は有料である。
また、2002年には既存のソフト開発シールの100倍もの性能を持つ、ワークステーションを商品化する予定である。
これはハリウッドの映画スタ、ソフトの、一はなかろうか。
これはまさに流通革命そのもので、「プレステ2」はその主役を演じているといえる。
ジオなどの制作者向けに、デジタル映画製作用として商品化するのがねらいといわれ、この年あたりから映画制作もデジタル化に拍車がかかるのではないかと見られる。
そして2005年には既存シールの1000倍の高性能を持つワークステーションを開発すると同時に、e‐ブロードキャスティングまでも視野に入れたマーケットの創造を展開しようとしている。
この時点でプレステ2の後継機、「プレステ3」の発売も検討されている。
プレステ2が発売されたばかりだというのに、すでに5年先をターゲットにした新たなプロジェクが動きはじめている。
このように見てくると、「プレステ2」は間違いなく新しいコンピューター・エンターテインメントのマーケットを創造しつつある。
それだけではなく、インターネットやCATV網を通じてのe‐ディストリビューションを行なうことで、コンテンツビジネスの流通形態を根本から変革しようとしている。
「プレステ2」の本当のねらいは、高性能機器の開発に伴ったコンテンツビジネスの拡大と、ソフトのネット配信という直販の流通チャンネルを確保することにあるといえるので「金融サービス事業に関しては加年以上も手掛けている生命保険ビジネス、はじめたばかりのネット損害保険ビジネス、それからネット証券ビジネス、現在計画中のネット銀行の設立など、Sの中でも金融サービスはいろいろとある。
今後はこれらの金融事業をSの基幹事業としてまとめていきたい。
すでに金融関連事業を一本化するための担当も決め、積極的に推進しているところである」(D井)。
Sはこれまで、エレクトロニクス事業とコンテンツ事業の2つを大きな柱としてきた。
2000年度からは新たに、インターネットを利用した金融ビジネス事業を第3の柱とする経営方針を打ち出している。
大手エレクトロニクスメーカーが本格的に金融ビジネス事業に乗り出したことで、金融業界はもちろんのこと、産業界全体がSの一挙手一投足に注目をしているというのは、決してオーバーな表現ではなかろう。
いずれにせよ、Sの金融ビジネス事業といっても、的年8月に創業別周年を迎えたS生命を除けば、どの事業も生まれたばかりである。
いずれはSも、保険業務だけではなく、銀行や証券業務に手を出すのではないかと業界関係者は見ていた。
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